WBG,WGについて

設立の背景

SiCやGaNなどワイドバンドギャップ(WBG)パワー半導体の実現により、機器の更なる小型化はもとより、今日強く望まれるエネルギーの高効率利用、安全安心社会の到来が期待されます。これら新世代パワー半導体にはSiでは到達できない200℃を越える極限環境動作が望まれ、新たな構造設計、電気設計に加え、樹脂、金属、セラミックスなどの素材開発、これらを信頼性高くシステム化する実装プロセス技術、信頼性評価技術が必要です。特に、各所に設けられる異相界面は、従来の界面に望まれる機能に加え、厳しい環境条件に耐える熱的、機械的、電気的な最適化が必要になり、このための幅広い視点を持った材料選択と界面設計指針が必要不可欠になります
一方で、これら複合的部材の組み合わせやプロセス開発、更には、信頼性評価、各種現象を把握するためのナノレベルの組織評価、異相界面を通しての熱伝達やコンタクトなど全てを理解することは、個々の研究機関や企業の技術開発範囲を超えており、独自の技術を有する企業連合と大学などの基礎研究機関との強い連携が望まれます。

活動目標

本コンソーシアムでは、それぞれの分野で先鋭化した開発技術や評価技術を持ち寄ることで、世界に先駆けた市場開拓が実現し、メンバー各社が更にその先の技術開発へ展開を持ち込むことが可能になります先進企業の皆様と、新材料、新プロセス、新評価基準と技術、更に新たな実装設計を組み合わせ、セラミック/金属界面設計に基づくパワー半導体実装技術、鉛フリーはんだ材料基礎科学を基にする応力緩和を考慮した超耐熱鉛フリーダイアタッチ技術、ワイヤボンド代替技術、あるいは、フリップチップ接続構造設計、腐食・酸化や電極界面反応、大電流負荷によって生じるエレクトロマイグレーションやウィスカ現象の未知の領域にまで研究面で取組み、この新世代パワー半導体実装技術を確立することを目標とします。また、世界に先駆け新たな市場を見据えた新世代パワー半導体実装に関する統合的な情報交換・発信、信頼性評価基準策定と標準化、共同開発提案の場を設け、産官学ともに世界の中心となり、新世代パワー半導体技術開花のための原動力とすることを提案します。

WBGの主な活動

  1. オープンイノベーションにより、ワイドバンドギャップパワー半導体の実用化における共通課題を解決し、新たな環境基準COP21の目標達成へ向けた省エネルギー技術の世界への普及を推進する。
  2. ワイドバンドギャップパワー半導体実用化のボトルネックである、耐熱実装技術を産学協力の力で解決する。
  3. 日本がワイドバンドギャップパワー半導体実用におけるイノベーション拠点の役目を担い、世界に先駆けたサプライチェーンを形成する。
  4. デバイスの信頼性基準と評価方法を明確にし、付加価値を高めた安全安心設計が世界の標準となれる素地をいち早く形成する。
  5. 世界の動向をいち早くキャッチしメンバーと共有し、次世代デバイス技術の標準化を睨んだ推進活動を行う。